感想文って何だろう?
昔、国語の授業にずっと疑問を持っていました。

授業の狙い、もしくは出題者が導き出させようとするものは果たして作者の意図したものであるのか。そうでないなら、狙いや指導の意図は一体何処にあるのか。いや、そもそもが人が持つ感想というもの自体一つではなく人それぞれであり、また同じ人が同じものをに触れたとしても置かれた境遇、年齢、その他状況が変化した時に受け取れるものは果たして同じものかどうかと。

私は読書感想文というものが苦手で、何も感想を持たなかった……というより、努めてその感想を文章に纏めようと思わなかったし、それが下手だったのですが、今から思うと恐らくは、その疑問が起因だと思います。
今の私も相変わらず苦手なジャンルですけど、でも本読んで原稿用紙数枚に感想を纏めよと言われた場合、何らかの感想をでっち上げる事が以前よりは容易に可能だと思います。でも、それって本当に私の感想なんでしょうか。単なる一つのテクニックに過ぎないんしゃないかと思うのです。

ある小説を読んで、ある音楽を聴いて、ある映画を見て、あるドラマを見て、あるニュースに触れて、あるアニメーションを観て、その人が持つ感想は一つではありません。また、その人以外の持つ感想が全く同じということはあり得ないと思います。
しかも、持ち得たヴィジョンを具体的かつ正確に表現することは、いま人類が持ちうる技術では限界があり到底不可能なことだと思います。

そんな風に「感想文」に疑問を感じる私は、かなり「オカシイヒト」なんでしょうね……(苦笑)